CSV形式?? CSVファイルとExcelの関係

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CSVとは

先輩から営業DMの送り先一覧を更新するよう言われたんですけど
『.csv』っていう知らない拡張子のファイルだったんです

とりあえずExcelで開けたので変更したらコードや電話番号が
おかしくなったって怒られてしましました

何がダメだったんですか?

まずはCSVがどのような形式のファイルなのか調べてみましょう

CSVファイルとは、テキストファイルの一種です。
テキストファイルは文字だけでデータが構成されているファイルで、文字や数字、タブや改行といった情報のみを保持します。

テキストエディタ(メモ帳)で開いたCSVファイル

CSVは項目をカンマ(,)で区切ったデータ形式のテキストファイルです。CSV形式とも言われ、拡張子は『.csv』となります。
アプリケーション間のデータのやりとりに使われる最小限のデータファイルで、ファイルの容量が軽く多くのソフトやツールと互換性があり、データを扱う上では欠かせない形式となります。

互換性があるため、ExcelやGoogleスプレッドシートといった複数のソフトやツールで開くことができますが、メモ帳などのテキストエディタで開いた状態がデータの本当の姿です。

CSVファイルをExcelで開く時の注意点

テキストエディタで直接CSVファイルを変更するのは難しいので別のツールを使います。
Windowsのパソコンの場合、特に設定していなければCSVファイルをダブルクリックするとExcelが開きます。

データに沿って表形式で表示されるので変更しやすくなりますが、Excelの保管機能で『 1-1 』が日付になったり、電話番号の先頭の『 0 』が消えてしまったりと、値が勝手に変わってしまうという問題があります。

値が勝手に変更されたデータ

この状態で保存すると、変換された値にデータが置き換わってしまうので注意してください。

ExcelでCSVファイルを開く場合は、開く前に必ずテキストエディタで確認しておきましょう。

CSVをテキストエディタで開く

テキストエディタとは、テキストファイルを見るためのアプリケーションソフトのことで、Windowsでは『メモ帳』が標準で搭載されています。

CSVファイルをテキストエディタで開くには、アイコン上で右クリックして、表示されたリストからメモ帳で編集』をクリックします。

CSVファイルをExcelで開く

CSVファイルに「1-1」ハイフン無しの電話番号など、Excelで勝手に変換される値が含まれていなければ、そのままダブルクリックで起動したExcelで更新しても大丈夫ですが、含まれている場合は『データの取得』を使います。

なお、ここで紹介するのはExcel 2019またはExcel 365バージョンの機能となります。

STEP
ツールバーの『データ』から『テキストまたは CSV から』をクリックします。
STEP
データの取り込み画面が起動するので、開くCSVファイルを選択して『インポート』ボタンをクリックします。
STEP
CSVデータのプレビュー画面が起動するので、『データの変換』ボタンをクリックして『Power Query エディター』を起動します。

※ プレビュー画面の時点では何かを変更する必要はありません。

起動した『Power Query エディター
STEP
値が変わっている列を選択して、データ型の『テキスト』をクリックすると『列タイプの変更』メッセージ画面が表示されるので、『現在のものを置換』ボタンをクリックします。

列を選択する時は[ Ctrl ]キーを押しながら列のタイトルをクリックすると複数選択できます。

STEP
値がテキスト型になっているのを確認したら、『閉じて読み込む』ボタンをクリックします。
STEP
CSVファイルのデータがExcelに表示されます。

データはテーブル化した状態で表示されます。テーブルとはデータを管理する際に活用できる機能です。
CSVファイルではテーブルの設定は保存されないので、そのままにしておいても影響はありません。

ちなみに、テーブルを解除するには『テーブル デザイン』タブの『範囲に変換』をクリックします。

ExcelでCSVファイルを保存する

Excelで作ったデータをCSVファイルとして保存するには、ファイルの種類で拡張子が『*.csv』となっているものを選択して保存すればよいのですが、Excelのバージョンによっては『*.csv』が2つあります。

リストに『*.csv』が2つある

具体的に何が違うかというと、日本語の文字コードが違います。

CSV UTF-8(コンマ区切り)』は「 UTF-8 」、『 CSV(コンマ区切り)』は「 Shift_JIS 」という文字コードで保存されます。
最近では「 UTF-8 」が標準になってきているのでCSV UTF-8(コンマ区切り)をお奨めします。

ただし、次の工程で使用するソフトによっては「 Shift_JIS 」で保存することもあるので、作業ごとに適切な文字コードを調べておきましょう。

CSVファイルが文字化けした時の対処法

CSVファイルは様々なソフトやツールで使用できるため、Googleスプレッドシートで作成したデータをExcelで開いたり、Excelで作成したデータをテキストエディタで開いたり、といったことが考えられます。

この時、CSVファイルを保存時の文字コードと開いたソフトの文字コードが異なると文字化けすることがあります。

文字コードを変更すれば直るので慌てずに対応しましょう。

テキストエディタで文字化け
Excelで文字化け

テキストエディタで文字化けする時の対処法

STEP
『ファイル』タブの『 開く 』をクリックします。
STEP
ファイル名入力欄の右側のファイルの種類を『すべてのファイル(*.*)』にするとCSVファイルが選択できるようになります。
STEP
ファイルを選択し、エンコードを『自動検出』にして『開く』ボタンをクリックします。
エンコードを『自動検出』にして「開く」ボタンをクリック
正常にCSVファイルが開けました

Excelで文字化けする時の対処法

Excelで直接開く場合は、テキストエディタで対象のCSVファイルを開き、エンコードを『 UTF-8(BOM 付き) 』に変更して保存します。

テキストエディタでエンコードを変更して保存する

データの取得』でCSVファイルを開く場合はデータのプレビュー画面の『元のファイル』で読み取れる文字コードを指定します(実際にはプレビュー画面を開いた時に自動検出されます)。

『データの取得』のプレビュー画面で文字コードを指定する

CSVデータでやってはいけないこと

ファイルの開き方や文字コードの他にも、CSVファイルを扱う際に気を付けるべきことがあります。
それはデータの記述の仕方です。

CSVデータでやってはいけないこと

Excelやテキストエディタで問題なく保存できたとしても、間違った記述があると、集計ソフトや宛名印刷ソフトなどExcel以外のアプリケーションでCSVファイルを開いた時にエラーや問題が発生する可能性があります。

別のソフトで間違った記述のCSVファイルを取り込んだ結果

CSVデータを扱う際に避けるべき点や注意点を把握しておきましょう。

不一致なデータ型数値列に文字列が混じっている場合など、データ取り込みなどを行う際に正しくデータが取り込めないといった問題が発生します。
ヘッダーの不一致ヘッダー行を誤って省略したり、追加用データで異なるヘッダーのファイルを使用したりすると、データの統合や結合を行う際に問題が発生します。
特殊文字の使用カンマ(,)ダブルクォーテーション(“)ワイルドカード(*)などを含む場合、列がずれるなど、構造が崩れてしまう可能性があります。
使用する場合は、全角文字に変換したり、項目をダブルクォーテーションで囲うなどの対応を行う必要があります。
改行の使用CSVファイルでは1データ1行が原則です。文字列の途中で改行を行ったり、改行文字(\n, \r\n)を含む場合、改行位置でデータが分割され、構造が崩れてしまう可能性があります。
空行や余分なスペース不要な空行やスペースが含まれると、データ処理においてエラーを引き起こす可能性があります。

SYLKエラー

CSV形式のテキストファイルを開く際に『 SYLK:ファイル形式が正しくありません。 』というエラーメッセージが表示され、ファイルが開けない場合があります。
このエラーは、ExcelがCSVファイルをSYLK(Symbolic Link)形式として誤認識し、データの解析に失敗する場合に起こります。

CSVファイルのヘッダーが『 ID 』で始まるといったSYLK形式のファイルに特有のパターンの文字列が含まれている場合は、項目名を変更してください。

ヘッダーの項目名を『 ID 』始まり以外に変更する